やっぱり歴史漫画でこれの右にでるものはいない

歴史が好きになる漫画とは

「歴史に興味を持ってもらいたい」と20~30巻前後の学習まんがを購入される方は多いと思います。日本史の入門として、この手のタイプの学習まんがは大変優れていますが、どうも感情を入れにくいと思うこともあります。

そこで今回ご紹介するのは〈学習まんが〉とは全く別のタイプの歴史漫画『風雲児たち』(著:みなもと太郎,リイド社)です。

江戸時代のみを扱った漫画ですが、これをきっかけに日本史全体に興味が持てるようになる気がします。ギャグ漫画の括りに入っているようですが、受験に有用な知識が詰まっています。全巻(連載は続いています)で江戸時代の流れは、ほぼ頭に入ると思います。入試に向けて網羅的に学習する場合、塾のテキストや参考書等で補う必要もありますが、この漫画を読んだ後であればスラスラと他の知識も覚えられると思います。また「なぜこのような出来事となったのか」という歴史の考察も出来るようになるので、記述問題にも強くなるでしょう。

中学~大学受験の社会・日本史の問題を見てますと、この漫画さえ読んでいれば答えられる問題に出会います。芝蘭堂新元会図(おらんだ正月の図)、杉田玄白の平賀源内碑銘、大塩平八郎の檄文、これらはセンター試験の日本史Bで出題されましたが、風雲児たちの読者であれば瞬間的に解けた問題でした。中学受験・高校受験においても、難関校の問題がとても簡単に感じられるようになります。社会・日本史で受験する予定ならば、絶対に読んでおいて損はないと思います。

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『風雲児たち』は、ただ教科書をイラスト化しただけの漫画と違い、登場人物たちが本当にそこに生きて、歴史を作っていたことが伝わってくる漫画です。年表上でたった一行の出来事も、現代と同じように、多くの人々の感情や思惑のもと、計画通りに成功することもあれば、妥協したり、失敗することもあっての結果であることがしみじみと感じられます。

また登場人物の出身地、過ごした土地が全国にわたるので、地理的な感覚も身に付きます。多くの藩の独特な個性も描かれ、国内旅行をする際は、その土地の〈風雲児たち〉に思いを馳せ、旅をより楽しむことができるようになります。

歴史や地理、さらに言えば、その時代や土地に懸命に生きた人々を大好きになってしまう不思議な力を持った漫画です。受験生でなくとも是非お勧めしたくなります。

ワイド版・幕末編、全てそろえると大長編

この『風雲児たち』、検索すると色々出てきてどれを買えば良いのかと悩む方もいらっしゃるかと思います。長期にわたる連載の都合により様々な変遷をたどってきたようですが、現在は

関ヶ原~幕末までがワイド版(リイド社,全20巻)

幕末~幕末編(リイド社,1~32巻(2019年5月発売・続刊中))

という大きく分けて2つのシリーズで構成されています。別冊の外伝もありますが、本筋の連載はこのワイド版幕末編で網羅できます。(通販サイト等でワイド版という名称を使っていないこともあります。黒地の表紙(1巻は坂本竜馬が描かれている)がワイド版です。また表紙は作者のイラストではないため、中身の絵柄は全く違うものです)

幕末編はかなり描写が細かいので、受験生であれば、まずはワイド版から揃える方が点数に繋がりやすいです。

若干大人向けの内容も含まれるため、小さなお子様に読ませる場合は先に保護者の方が御一読された方が良いかもしれません。

AmazonのKindle Unlimitedでワイド版全20巻を読むことができます。

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何巻から読み進めればよいか?おすすめスタートラインまとめ

ここまでかなり推してきた『風雲児たち』ですが、ワイド版1巻にはあまりお上品とは言えない表現もあります。馴染めない方は、3巻後半の宝暦治水伝から読み進め、作者の世界観に馴染んでから1巻に戻る方が読み易いと思います。絵柄の古さも最初は気になるかもしれませんが、慣れれば不思議とこの絵柄の虜となります。以下、宝暦治水伝も含め、読み始めのスタートラインのオススメをまとめておきます。

  • 1巻がどうも苦手→3巻「宝暦治水伝」から
  • 楽しく読み始めたい→4巻「長崎から江戸へ」から
  • 田沼意次・松平定信の違いが苦手→7巻「江戸城大ゲンカ」から
  • 北海道史を知りたい→8巻「蝦夷史・前編」から

1人の登場人物が何巻にもまたがって出たり、複数のエピソードが同時進行しているので、途中から読むとわかりにくいこともあるかと思います。わかる範囲で読み進めても、この漫画の魅力は発見できます。全てを読むと「ここで繋がっていたのね」と伏線も見えてきます。そこまで来ると、もう江戸時代は自分のものとなり、この漫画以外の本も楽しめるでしょう。日本史がどうも苦手、江戸時代がつまらないという方にはぜひ一度『風雲児たち』の世界を知ってほしいと思います。

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